2019年11月3日日曜日

岡山城月見櫓の公開へ行ってきました

毎年恒例の岡山城月見櫓公開へ行ってきました。

岡山城月見櫓
岡山城月見櫓


池田忠雄により造営されたものです。建物の様式的見地、切り込みは矧ぎと、打ち込み矧ぎ、鑿整形を多用する櫓代石垣の特徴、そして発掘調査の成果と合わせ、寛永年間初頭に造営されたと考えられています。

第一階層の内部
第一階層の内部
層塔型の櫓です。中に入ると意外に広いことに気がつきます。

石落としから真下を見る
石落としから真下を見る

石落としから真下を見てみました。きちんと石垣を見渡すことができます。

第2層の内部
第2層の内部

第2層の内部です。障子窓の外側には手すりのついた縁側が設けられています。柱は側柱のみで、居住性は良いと言えます。

武者隠し
武者隠し

大人でも優に三人は入れる広めの武者隠し。明かり取りの小窓がついてます。

第2層の天井板
第2層の天井板
第2層の天井板です。節はほとんど見られない良材を用いています。格式の高さがうかがえます。

第2層から本丸中の段を見る
第2層から本丸中の段を見る

第2層から見渡した本丸中の段です。この広大な敷地に政庁(表御殿)が建っていました。月見櫓の造営に合わせて、造成土を盛って本丸を拡張したことが、岡山市教育委員会による発掘調査の成果から判明しています。

笠石
笠石
岡山城では月見櫓の周囲にしかない、笠石と呼ばれる石製の銃眼です。銃口を下方向に向けることは難しく、狭間としては機能し得ません。一種の痕跡器官と呼ぶべきものでしょう。

岡山城には11棟もの三重櫓が立ち並んでいたのですが、現存するのはこの一棟のみです。岡山城の普請は宇喜多直家に始まり、池田忠雄に至るまで約半世紀の長きにわたってなされました。その完成期を象徴する櫓と言えるでしょう。

また来年の公開にも、ぜひ足を運びたいものです。

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